そしてその中の、「私の彼はタバコを吸います。彼とのキスは好きだけど、タバコのあとのキスは嫌です」という文章に目が止まった。


「優音、窓閉めるよ」


煙草を吸い終わった仁が立ち上がって、窓に手をかける。


「待って。風気持ちいいから、開けておいて」


「分かった」


窓を閉める手を止めて、私のところに戻ってきた仁は、そのまま私の隣に座った。


「優音」


「ん?」


名前を呼ばれて顔を上げると、そっと唇を奪われる。


「やっぱり、苦い」


「嫌か?」


「嫌じゃないよ。煙草の味も香りも、全部仁だもん」


そう言ったら、仁はフッと鼻で笑い、またキスをしてきた。


「ねえ、これ見て」


「ん?」