ー沙帆sideー
「す、すみませんでしたっ…」
放送終了後。
噛みまくりだった私は顧問の先生に頭を下げる。
「いいのよっいいのよっ!赤城さんのドジっぷりが人気でもあるしっ」
そ、そんなんでいいんですか…。
「失礼しましたー…」
放送室から出ると
「おい。赤城沙帆」
ッ…
おそるおそる振り向く。
「田中さん…」
そこには三人のいかにもイケイケ女子が立っていた。
3年の田中さんは狙った相手は必ず落とすがモットーらしいんだけど…。
そのターゲットが、ポチ先輩だったらしい。
もちろん私は恨まれるわけで、
「ちょっとこいよ」
男の前とは別人な田中さんが私の髪の毛を引っ張る。
「ッ…いたいっ」
前から田中さんが嫌がらせしてるって気づいていたけど、こうして面と向かって話してくるのは初めてだ。
「私になにかっ…用が…」
わざとしらばっくれる。
田中さんは無視して髪の毛を引っ張りながら人目の少ない廊下を進んでいく。
ドサッ
思いきり投げつけられる。
つれてこられたところは
体育館裏だった。
…ほんと定番すぎでしょ…。
私もしかして
_____ピンチなんじゃない?

