____
...
「で、誰あいつ?」
住宅街に入るとそうたずねてくるポチ先輩。
いや、猫のかぶっていない戌町先輩。
「あいつとは?」
「...お前に耳元で喋ってた奴じゃねぇか」
喋ってたっていうか..息吹きかけられたんだけど。
「えっと、幼馴染の翔太...です。」
「ふーん...」
そんな返事するんなら聞かないでよ...。
「今日ポチ先輩のせいで先生に怒られました」
ツーンと冷たい顔で言ってみる。
「ふーん...なんで俺のせい?」
「だってポチ先輩があんなメール送ってくるから...!!」
そうだよ!!ほんと!
「へぇー...俺のこと考えてて怒られたんだ?」
ニヤッと妖しい笑みをうかべる。
....え。
な、なんで!そうやったらそういう考えできんの...!!
「そういうわけじゃありません。」
確かにポチ先輩のこと考えてたから怒られたけど!!
....考えてたんじゃん、自分。
あー!!バカバカッ!本当に嫌いならあんなメールどうでもいいでしょ!
...はぁ。
___
「家、どっち」
え、送ってくれるの..
「右、です..」
そう言うと私の手をひいて右に曲がる先輩。
今気付いたけどいつも車両側を歩くのはポチ先輩。
...結構優しいところもあるんじゃん。

