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「沙帆いるー...?」
げっ...。
放課後、教室のドアからひょいと顔をだすポチ先輩。
いつのまにか猫かぶった姿でも呼び捨てにしてるし...。
もちろん、皆が騒ぎ出すわけで(主に女子)
「ええっと、いますっ...。」
とだけ返事してかばんを用意する。
もー...この騒ぎめんどくさいよっ..。
休み時間にはいろんな女子に「ポチ先輩と付き合ってるの!!?」って聞かれるし..。
「今いくー!」
そういってポチ先輩のところに向かおうとすると
グッ
「わっ...!!」
いきなり後ろから腕を引っ張られた。
「ちょっ...ちょっと翔太っ!!」
もちろんそんなことをするのは翔太だけ..。
「...先輩と一緒に帰んの?」
な、なにこのなんか怖い目..。
「そ、そうだよ」
「ふーん...」
そういうと翔太はチラッとポチ先輩を見てから、
顔を私の耳元に近づける。
何かこそこそ話?...と思って耳を澄ませてると
「ふっ」
「ひやぁぁぁぁっっ!!」
耳に息を吹きかけられた。
「も、もー...何すんのよっ」
翔太は満足げな顔をして
「んーん。じゃーなっ。ポチ先輩によろしく」
...?よろしくってあいつポチ先輩と仲よかったっけ。
...まぁいいや。

