止まない雨はない

何が起こったのかまったく理解できない…
男の人の腕のなかにいる…
それを理解した瞬間、体が拒否反応を示した。


『いや…触らないで…』


男性の胸を強く押し、二人の間に空間ができた。


「ごめん…そんなつもりじゃなくて。君が倒れそうだったから。」


男性は口早にそう私に告げた。

私の心臓はバクバク言っていて、男性の話しをきちんと聞くこともできなかった。


どのくらいそうしていたのだろうか…


私の心臓が落ち着きを取り戻し始めると、今度は男性に対して失礼な事をしたのだと感じ始めた。


とっさに倒れそうになった私を支えようとしてくれただけなのに…
私は、申し訳なく思い、顔をあげた