「ね、ねぇ……
お願いだから!なんでもするから!

………あたしを1人にしないで」



そう記憶に残る少女の声は、あたし。





丁度10歳の誕生日だったーーーーーーーー

あたしが親に捨てられたのは。



デキの良い双子の兄貴と、目がオッドアイである"あたし"。





たった、ーーーーーー
たったそれだけだったのに。

「なんて気味が悪い子」


そう言われて、あたしだけが捨てられた…





家から離れている、当時使われていなかった廃工場に。

その頃は10歳



家の場所は分かっていたけど、こんな山奥の廃工場から帰ることは不可能に近かった…



そして、
帰ることもできず、ただただ泣いた。



ーーーガチャ

工場の扉が開くのと同時に声が聞こえる

「ん、誰かいるのかー?」

ーーーーーーーー!!!!????




「誰っーーか、……って、子供!?」



「ふぇっうぅ゛……う゛ぐすん」

「ちょ、あ、あ、まずは泣きやめ、な?な?俺が泣かしたみたいじゃん…」

「うぅ゛………… っ」

「やっと泣き止んだ…
なんでこんなとこにいるんだ?
もしかして…捨てられたのか…?」


そう言われた瞬間また涙が溢れ出す
今の状況は、子供なりに理解していた。




コクン……そう頷いて意識を手放した