君と過ごした時間

私は無力だ。

そう花鈴は思い、昔、恩を借りていたという会津で『新選組監視』という役を受けもった。




それが今の私。




きゅっと唇を結ぶと花鈴再び笑顔を振りまく。


今度は私が人間を守らなければいけない、と。

誰1人、じぶんのためが故に死なれたら困ると。



「またあとでね。」
そう言ってみんなと別れると、ひときわ目立つ建物を目指す。


『新選組屯所』

今花鈴が住んでいるところ。

新選組は多くの者が誠を貫こうとしている。
そんな彼らが花鈴はいっそう好きという感情を抱いていた。

これがごく普通なのだと。

私は一瞬でも鬼ということを忘れられる唯一の場所だと。

門を潜るとまだ昼だからなのか隊士たちの威勢のいい声とそれを指導する声が聞こえる。
「あれ、花鈴じゃん。会津から帰ったのか?」
「あほ。帰ってきたからここにいるんだろうが」
8番組長の藤堂と、10番組長の原田だ。
「うん。一応伝えることは伝えたし。そうだ、平助君たち、土方さんをみてない?」
「あー土方さんなら確か総司と一緒に資料まとめしてたはずだぜ。」
「ありがと。んじゃあ」
藤堂たちと別れ、さらに境内へと入って行く。
見慣れた顔が「花鈴さん!」と言って挨拶をする。