君と過ごした時間

「ねーねー!花鈴ねーちゃん遊ぼっ!」
「新しい商品作ったんよ。味見してくれるかい?」
周りをぴょんぴょんはねる子供や、新作のものを花鈴にすすめようとするもの。

誰がみても花鈴は人気者だった。

嬉しそうに笑う花鈴は気持ちの裏腹に、ふっと一瞬寂しげな表情をした。




花鈴がもともと住んでいた、美濃。
小さな村はずれにある、花道の里。
花鈴は鬼として生まれ、生きている。
ただ、鬼は人間を嫌う。
でも花鈴は人間が好きだった。

確かに悪用しようとする人もいる。
けれど、なかにはまっすぐに生きようとするものもいる。

そんな人間が好きだった。


あるとき、花鈴が家へ帰ろうとすると里が燃えきっていた。

誰ががこういう。

「人間がやったんだ。」

違う……そう思いたいのに。

花鈴は何もできなかった、居なくなってしまった里の者をただ見つめるしかなかった。