君と過ごした時間

沖田が突きを再び繰り返すが全てはね返される。

「っ!?」

沖田は驚愕の表情をするのを、男は頼もしそうに見ている。

「あんた、結構技量はいいようだけど。なんか物足りないなぁっ!!」
「ぐはっ!?」
「っ!総司君っ!!!?」

男は目にも止まらぬ速さで沖田の腹に足蹴りをする。
沖田はその衝動で襖にぶつかる。

「あんた……!」

花鈴は沖田を抱えながら男を睨む。

「おお、やはり花道の姫宮だ。あれだけ噂が流れ込んでくるのもわかる。」
「姫宮?…なんのことをいう。」

姫様、姫宮はだいぶ昔に里にいたときによく言われた名だった。
それに何故彼が知っているのか?


それとも彼は………



鬼の一族?



「…君、名前は?」

花鈴は沖田のそばを離れないまま、華桜の切っ先を男に向ける。

「名、か。…それはまたあってからにしよう。」

意味ありげな笑みと言葉を残して男は出窓から飛び降りる。
慌てて花鈴が駆け寄ったがすでに姿も気配も消えていた。