君と過ごした時間

「っ………」

まだ痛む首裏を抑え、ふらふらと立ち上がる。

花鈴は昔、父に言われた言葉を思い出した…。


ー花鈴、君の力はとても強い。
いいか?今から君の力を封印しよう。
悪い人間に使われないように。


ーなぁに、心配なんていらないさ。
ただ、決してこの力を見つかるんじゃないよ。花鈴は花道の里にとって貴重な力の持ち主だ。


ー花鈴の特別な力が花鈴を必要としてる時に発動できるようにしよう。



あの優しいお父様ももういない。
私は…

「花鈴、いるか?」
「っ!…いるよ。」

まだ痛む首裏を気にしながら、戸をあける。

「土方さん?何か用?」
「これから池田屋、四国屋に向かう。」

花鈴は黙ったままうなづく。

「私はどっちに行けばいい?」
「花鈴の好きなようにしていい。」
「そ、う。…ねぇ、土方さん。」
「なんだ?」
「…さっき私、何をした?」

拍子抜けするような花鈴の一言。

「さっき…って?」
「いや…いいや。なんでもない。すぐに準備して広間にいくよ。」

花鈴はそそくさまた部屋の中に入って行く。
土方はいったいなんの話なのかわからないまま、自室へと向かう。

「…何もしてないわけないよね。」

ふっと自嘲的な笑みを浮かべ、土方がくるまえに脱いだ血まみれの着物を見る。

「暴走、しちゃったかなぁ。」