君と過ごした時間

血だらけの拷問室を見て花鈴はよく斬れる刀だと思う。
流石、花道家に代々伝わる鬼斬りの刀だとーーーー

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土方は突然聞こえた古高の叫び声にはっとして拷問室の戸をあけた。
そこには首が転がり、着物を真っ赤に染めた花鈴が立っている。

「おい、花鈴…これは…「吐いたので殺したの。」そういう意味じゃねぇ!」

なぜ?と問いかけるような花鈴の表情。
一度も見たことのない、花鈴の冷たい目。
土方も今の花鈴に恐怖を覚えた。
こんな花鈴を見たことがない。
ましてや、今までこんなことをする花鈴じゃない。

「…風の強い日に今日の町に火を放ち、天子様を連れ出すだって。」
「!?」
「古高が言ったのだもの。私は本当なのかは知らないけど。」

じゃあとひらひらと手を振る花鈴を、黙って土方は見送る。

転がった古高の死体を呆然と見つめ、やがてはしたいの処理を監察方に任せた。

今の花鈴はどうにかしてる。
今までの花鈴じゃねぇ。

ぐるぐるとそんな考えが回るのに、あの花鈴の冷たい目が頭から離れない。

「チッ」

舌打ちを拷問室に残し、まだ皆がいるだろう広間に向かう。