君と過ごした時間

拷問室。


「俺はっ!…しっ、しら……ねぇ!!」
「ふぅん。知らないか。そう…」

花鈴はもがき、苦しむ古高の前で腰にある華桜に手を掛ける。

「お、お願いだから殺さねぇで……ぐはっ!!」
「そう願うなら早く言いなさい。」

華桜の切っ先が古高の喉を少し斬る。
つうっと流れる古高の血を見て花鈴はふふっと笑う。
ぞっとする古高はガクガクと足を、全身を震わせる。

「さぁ、どうする?今ここで白状するか…あぁ、私が代わりに言ってもいいよ。ただ、じっくりと痛めてあげるから。」
「ゆ、許して…く、れ!!」
「許すも何もないさ。君が知っていることを言えばいい。」

花鈴の冷たい目と言葉。

町で見かける花鈴とは別人のようだ。
一度だけ、古高は花鈴と話したことがあった。

ではあの彼女は?

どちらが本当の花鈴なの、か。

あまりの恐怖に古高は少しづつ、言葉を口にする。

それを聞いた花鈴はやはり、と思い口元を歪ませた。
あの話はあながちあっているようだと言わんばかりに。

「そう、じゃあお疲れ様。」
「こ、殺さねぇで………ぎゃぁっ!!!!!!!」

花鈴は古高にねぎらいのような言葉をかけると、素早く首を斬る。
ぽたぽたと垂れる古高の血を花鈴は払い刀を鞘に収めた。

そう、これでいいの。
花鈴は自分に言い聞かせる。

自分が殺さなければ、古高は生きてたのかもしれない。
まぁ、どのみち新選組に見つかった時点ですでに彼の人生は狭まっていたはずだから。