君と過ごした時間

と、斎藤の言葉が終わらない間にとたとたと花鈴の足音が聞こえた。

「まさかと思うが花鈴は知ってたってことじゃねぇよな?」
「多分、そのまさかだと思うよ、土方さん?」

沖田の言葉に追い打ちをやられるように土方は古高のいる部屋へと向かう。

「どういうことだよ、花鈴。てめぇのことが全く読めねぇ。」

これでも鬼の副長だ。
だいたいのことは把握しているつもりだった。
ただ、花鈴の行動といい発言といい全く読めなかった。
これ以上にわからない奴はいないだろうと土方は思う。

それに、土方はまだ花鈴のことを認めたわけじゃない。

確かに旧知の知り合いだ。

会津の命で新選組と行動しているがもしかしたら間者なのかもしれない。

ただ、心に残るのは花鈴の無邪気な笑顔とたまに見せる悲しそうな表情。

「なんであいつは何もいわねぇんだよ。俺らだって心配してんだ。」

いや、花鈴は…どんなことでも俺らに隠し通すだろう。
花鈴って奴はそんな人だからな。

俺らに事情があるように。

花鈴もまた、なにかでけぇもんを抱えてるだけだと。

土方は自分に言い聞かせた。