おみくじを引きに行ってからだいぶ立つ。

花鈴は会津からの命で新選組に関わる書類をまとめていた。

「よし、こんなものかな。」

一心不乱にずっと筆を動かしていたものだから時間がだいぶ過ぎてしまった。
もう夜が明けようとしている。

そういえば、いつからこんなことをしているのだろう。

確か、壬生浪士組と彼らが呼ばれてたとき。
そのとき、会津から新選組観察の役をもらったんだ。
まだあの頃は幾分、楽しかった。

こんなに、生臭いところじゃなかった。
まだ土方さんも鬼の副長になる前だった。

そんな決断したのは。


ー芹沢の暗殺


思い出せば、もっと別のことができたんじゃないのかと。
まだ、別の方法があったんじゃないのかと。

芹沢を殺したのは私だ。

それも。
会津の命があったから?
私がただ単に殺したかったから?

じっと自分の手のひらを見つめる。
なんどこの手を血に塗らせたのだろう。
数えきれないほど、斬ってきた。
殺めてきた。

私は所詮バケモノ。
鬼だから。

こんなことには慣れてた。
だから二言で返事ができた。

こんな汚れたことでも。
なんなりと。



できた…


でもね、春兄。
ここにいることは楽しいよ。
人を、君たちの邪魔な人間を殺めるのに疲れたのかも。

ー鬼は人間に関わっちゃいけない。

いつか、そんなこと言われたよね。