土方さんと話してから数ヶ月。
年が明けた。
「花鈴ちゃん、餅だ、餅っ!!」
「おーい花鈴!おかわりー」
これから神社へ行き、まだ食べるというのに永倉と藤堂は気にせずにお代わりを繰り返す。
「ちょっと、もうないんだけど?」
まだ食べたかったらしい沖田が残りわずかとなった雑煮をみて文句をいう。
「いいじゃないか、総司。永倉君も藤堂君ももっと食べたいんだろう。滅多に出ることのないものだからな。」
屈託のない笑顔で近藤は笑う。
そんな彼らの様子をみて花鈴はやれやれと飽きれる。
「にしても花鈴。今日は会津に行かなくて良かったのか?」
「うん、今日は休みですって、伝達がきたからね。一日羽のばしになるかなって」
珍しく朝早くからいる花鈴を原田は尋ねる。
花鈴もまた、雑煮を食べ終えるとぱんっと手を合わせる。
「じゃあ、みんな食べ終わった頃だろうし毎年恒例のおみくじを引きに行こう。」
提案すると、いつもは乗る気じゃない土方までそうだなとうなずく。
「よっしゃ!んじゃあ今年俺は大吉だな!」
「お、なんだ平助。この俺様に喧嘩売ってんのか?」
「おいおい、お前らなぁ。いい加減成長しやがれ。前もこんなこと言ってただろうが。」
土方は2人を叱りつつも、にやりと口元が歪んでいる。
結局は土方も運には自信があるらしい。