【ベランダ's ラヴ】



いかにも青春、な時間を

何も考えずにすむ、空白を

想うために、私はいつものように

ベランダに飛び込む。



やる気の起きない6月

体育祭も終わってしまった。

立ち上る校庭の砂煙に、目をつぶる。



極端な場所へ逃げてしまいたい。

そう、君のいない場所を探して求めて。



ベランダ's ラヴ

いいでしょう、声にださないから

ここ限定で淡い体験をさせてよ。





葡萄の香りが染み付いてしまった、

制服の白いシャツを

ふくらませて、風、風、過ぎた。



ベランダ's ラヴ

連れてって、嫌がらないから

君の好きなように遊んでお願い。



ベランダ's ラヴ

君がほしい、たったそれだけだから。