「そんなの知らないわよ!」 私はそうやって動揺しているのを必死で隠すけれど、 耳元でしゃべる梶の、せいで顔が真っ赤になっていた。 そんな私の様子を知ってか、知らずか 「正解はここです」 と言葉を続ける。 ネクタイは梶の手の中に。 それを見て思った。 あ、 また梶が真面目くんから変わる。 「髮、ふわふわですね」 地味な真面目くんなんかとは遠い姿に。