真面目くんがネクタイを緩めるとき



大好きな彼はやっぱり来てくれた。

そして私をぎゅっと抱きしめて


「フられたって分からない?

胡桃を守るのに、君は必要無いの。

俺がいるんだから。


行きますよ、胡桃さん」


そう言って梶は私を引っ張った。


「梶っ……あの……」


「…………。」


やっぱり、怒ってる。


梶は私を図書室まで連れてきて言った。


「なんで俺に何も言わないの?」


「ごめん……言おうと思ったんだけど、」

そう言うと梶は深くため息をついた。

呆れた?

そりゃ、そうだ。

私が何も言わずに佐倉とあってこんな結果になったんだから。