手を掴まれ、勢いよく引き寄せられた体ら梶と急接近する

「押して引く作戦ですか?」


梶は私のアゴをくいっと持ち上げてそう聞いた。

「別にそんなんじゃな……っ」

恥ずかしくて目を逸らすのに
梶はそれを許してくれなくて

「乗ってあげますよ、それに」

なんだか、今日の梶は強引で
そう言うと、私に思いっきり近いて


「んむっ…、んんー!」


キスをした。


今度はホンモノの梶の唇
見開いた目で確かに見えた。