家族の前では
相変わらず平静を装って
なるべく信晶さんと
話さない様にしてても
同じ家に居るのだから
全く会わないなんて事は
ありえないわけで、
しかも、姉さんに
気づかれたなら
逃げられない……

それは、突然告げられた。


｢あ、将
丁度良かった｣


何が?

｢実は、三ヶ月くらい
出張が入っちゃったのよ｣

姉さんの話しによると
関西の方へ
出張に行くらしい。

｢それでね、将は
信晶さんが
苦手かもだけど
私が居ない間、
夕飯を一緒に
食べて欲しいのよ｣

何それ、僕得と
内心ではﾜｸﾜｸしているが
顔には出さず
あくまでも平静を
装って答えた。