信晶さんに
無理強いされた事は
一度も無い。

「はぁ~」

ため息をついた姉さんは
僕の肩に置いてた手を
離すとソファーから
立って信晶さんの方へ
行ったと思ったら
思いっ切りビンタした。

「姉さん!?」

左頬を押さえながら
苦笑いの信晶さんの目は
仕方ないって感じだ。

「私からは
これくらいに
しといてあげるわ」

"私からは"?

「ぁはは、これは
義父さんからの
制裁の方が怖いな……」

もぉ何も言えない……

「まぁ、私のビンタの
百倍くらいの
制裁を覚悟
しとかなきゃね」

ニヤリと姉さんが笑った。

「そんなの、
将君に手を出した
時から覚悟してたさ」