「フン、こんな物30分で終わらす。」
「30分で出来るんでしたら最初からやって下さい!
きっと瑠唯様の事ばかりお考えで手が進んでいなかっただけでしょ!」
「あぁ、そうだな。お前は何でもお見通しだな。」
そしてハハハッと自然と笑いがこぼれた。
それは言い当てられたことよりも、自分がこんなにも瑠唯に心奪われているのだと再認識したからだ。
早く会いたいが今はこれで我慢しよう…
デスクの一番上の引き出しを開け、中に仕舞われた古びた焦茶色の箱に視線を落とす。
そこには白いペンで可愛らしい字が書かれていた。
年月の流れと共にその字は掠れて薄くなっていたが、 まだ微かに読み取れはする。
『おにいちゃん おたんじょうびおめでとう』
この箱を見るだけでいつも元気をもらえる。
これを貰ったのは耐え難い時だったが、あの笑顔が救ってくれた。
この箱を見て思い出すのは辛い記憶ではなくあの笑顔だけだ。
瑠唯、すぐ帰ってやるからな。
早急に仕事を片付け、家に着いたのは19時を少し過ぎた頃だった。
定時に上がれなかったものの、こんなに早く帰ったことはここ数年なかった。
「30分で出来るんでしたら最初からやって下さい!
きっと瑠唯様の事ばかりお考えで手が進んでいなかっただけでしょ!」
「あぁ、そうだな。お前は何でもお見通しだな。」
そしてハハハッと自然と笑いがこぼれた。
それは言い当てられたことよりも、自分がこんなにも瑠唯に心奪われているのだと再認識したからだ。
早く会いたいが今はこれで我慢しよう…
デスクの一番上の引き出しを開け、中に仕舞われた古びた焦茶色の箱に視線を落とす。
そこには白いペンで可愛らしい字が書かれていた。
年月の流れと共にその字は掠れて薄くなっていたが、 まだ微かに読み取れはする。
『おにいちゃん おたんじょうびおめでとう』
この箱を見るだけでいつも元気をもらえる。
これを貰ったのは耐え難い時だったが、あの笑顔が救ってくれた。
この箱を見て思い出すのは辛い記憶ではなくあの笑顔だけだ。
瑠唯、すぐ帰ってやるからな。
早急に仕事を片付け、家に着いたのは19時を少し過ぎた頃だった。
定時に上がれなかったものの、こんなに早く帰ったことはここ数年なかった。



