ライオンさんのペット

私はしぶしぶ布団の中に戻った。




和雅さんの腕が伸びてきて私はまた彼の腕の中に捕われる。




後ろから抱きしめられていた時とは違って、今度は正面から抱きしめられているから彼の体温やら香りやらが直に伝わってきてしまう。






朝から心臓に悪すぎます~






高鳴る鼓動が彼に伝わらないように私は自分の心臓の前で手を握りしめて少しでも彼から距離をとろうとした。




和雅さんは直ぐにまたすやすやと寝息をたて始めた。




これはまたもやチャンスかもしれない。




今度は和雅さんから逃げられるかも!!




このままじゃどっちにしろキスコース直行だもん!!




直ぐにまた起きちゃいませんよね?と、チラッと和雅さんを盗み見る。



後ろに流されていた黒髪は無造作に乱れて、長い前髪が長い睫毛を隠していて…

髪型が変わるだけで随分若く見える。

それでもやっぱりイケメンさんはイケメンさんで…





綺麗な顔だな~





って見とれてる場合じゃないよ私!





今のうちにと、さっき以上に慎重にそろそろと腕から体を抜いていく。





やった!!成功!!





ベッドを転がるようにして静かに床に落ち、忍び足でそこから離れる。





しかし…