ここ、どこなんだろう。
ハッと気づいて周りを見渡すけど遠いところにきたっていうのがわかっただけで参考にはならなかった。
スマホは電池切れ。
財布は今日は忘れていたんだった。
「はぁー、つくづくついてないんだなぁ~」
なんて言いながら、まだ子供の声がする公園のベンチに座る。
「虎太郎君待ってぇー!!」
「梨花ちゃん遅いよぉー!!じゃあ、手つなごうよ!はいっ!」
「うんっ!ありがとぉー!」
微笑ましい公園での光景が、私は苦痛で仕方なかった。
あの子たちはどんな将来を歩んでいくのかな?
私のようになりませんように。
二人の後ろ姿に祈る私に声をかける人がいた。
「ねぇ、お姉ちゃん、どぉしたの??」
小さい男の子。
心配そうに私の顔を覗きこんでいる。
「僕ね、隼くんって言うんだぁー!お姉ちゃんは何ちゃん??」
「桜っていうの。こんにちは、隼くん。」
「桜ちゃん…?へぇ~!はるねぇが好きな花だねぇ~!パァッと明るくなるんだってぇー!どぉんなに辛いときでも笑顔になれちゃうって言ってたよ!」
「そうなんだぁ、でもね?お姉ちゃんはそんな力持ってないんだぁ~!泣いてばっかりでね、みんなに迷惑かけてばっかり。」
「僕と同じだぁ。僕もね、はるねぇたちにめえわくかけてばっかりなの。ママもパパもいないけどね、僕は泣かないんだ!僕が泣くとはるねぇたちが悲しい顔するから。」
そんなに小さいのに、偉いんだね。
って言おうとしたけどやっぱやめた。
「隼くん。ありがとう。隼くんは好きな人とかいる??」
「いっぱい、いるよ!えっとねぇ、はるねぇとお姉ちゃんとよーちえんの柚未せんせえと、ひろくんと、お肉やさんのおばちゃんだよ!!」
「そんなに?ふふっ、そっかぁー!隼くん大事にしなよ~!」
「バイバァーイ!!」
私はあんな小さい子に何を聞こうとしてたのかしら…。
はぁ。病んでるよ!私は。

