単純と言われるかもしれない。
好きというのもその程度だったのかと思う人もいるかもしれない。
だけど、捺の存在はそれくらい大きかった。
心が洗われるなんてよっぽどの笑顔。
でも、それができるのが捺だった。
その屈託のない笑顔に、私は何度も救われてきた。
「もう!捺大好きー!」
と抱きつく私。
「ぅわっ!?ビックリした!!」
「うふふ♡いつもと立場逆だね??」
「ちょ、桜??うふふとかキモいー!」
立場逆になったと思ったすぐあとにまたいつも通りに戻ってしまった。
「捺、ひどーい!!」
「当たり前でしょ!なんかでも、私たちってたまに立場変わるよね?」
「だよね~!昔はバカなのは捺だったのにもうすっかりしっかり者になっちゃって!お母さんは寂し「お母さんじゃないでしょーが!というか、バカってなによ!?昔も今も私は冷静だからね?」
まったくひどい言われようだ。
「ひどいなぁー!」
なんて言いながら靴を履き替え、外にでると、ばったりゆうと愛に会った。

