あいつに彼女ができました。




そんなことをはなしていると…




「下校の時刻になりました。学校に残っている生徒はすみやかに帰宅しましょう。」





という、君の声が聞こえたんだ。



苦しいよ。
ゆう。苦しいよ。
辛くて、苦しくて、悲しくて、悔しくて。
君の声を聞いただけでそんな感情が一気にあふれる。


誰かが言ってた。
片思いって切ないこともあるけど、楽しいこともたくさんあるって。

本当に?
私には、そうは思えない。
辛いことばっかじゃん?
悲しいことばっかじゃん?
あきらめないとなのに、あきらめられなくてこんなに苦しいのに。



「桜??帰ろう?」






「あ、そ、そうだね。」







「ねぇ、桜。」






「んー??」






「呼んだだけー!ふふっ。」





本当に嬉しそうに笑う捺に、自分の心が洗われるような気がした。
苦しいとかマイナスな気持ちがプラスに変わるような感じがして。



「もうっ!この幸せ者めーっっ!」




と、笑いながら首を絞めるまねをする私に




「痛いよ、桜ー!!」




と笑いながら返す捺。





「あー!幸せだぁ!」





と捺に言うと




「ふふっ!私も♪」





と言った。



幸せというのは、嘘とかではなくて。
捺と友達でいれて幸せって心から思えたから。