「今日も気をつけて帰れなー!」
先生の声で教室が一気に騒がしくなる。
「さーくらっ!帰ろー?」
すぐさま近寄る捺に謝りつつ、ゆうのいる放送室に向かう。
「ご、ごめん!捺!ちょっと行ってくるっ!先帰ってていーよ!」
「へ?行くってどこに!?ちょ、桜!?」
捺の言葉を背中で受け止めながら止まらずに走る私。
「ほんとにごめんっ!」
今日はゆうに言いたいことがある。
なぜ放送部に入ったのかってことを聞きたい。
やっぱり気になってしょうがないからだ。
思い立ったらすぐ行動派の私はやっぱり親のDNAを受け継いでるんだなぁとしみじみ思う。
放送室と書かれたその部屋は比較的近い場所にある。

