つれてこられたのは空き教室。
「どした?」
「あ、あんね、私と一緒に野球の見学行ってくださいっ!というのもね、私お兄ちゃんがいたの。ゆうくんとそっくりでね、野球が上手でね。かっこよくて自慢のお兄ちゃんだった。だけど………。神様は残酷だった。私からお兄ちゃんを奪ってったの。交通事故だって。相手は信号無視だったの。あいつは生きてるくせに!!お兄ちゃんは!お兄ちゃんはっ!だからお願い!野球部に入ってほしいの!!お願いします!」
「そうだったのか...。うん、いーぜ、行こう!でもさ、野球部に入るのは考えたい。俺がバスケ部に入りたいのには理由があんだよ。」
「それは...桜が?桜がいるからなの?」
いきなり核心に触れてきた。
ドキッと心臓がなる。
「桜がいるからとかじゃねーよ。俺が決めたいからだ。誰のせいでもない。」
「そっか。うん、わかった!じゃあ、見学には着いてきてくれる??」

