「俺のどこがいいの?」





結婚なんてしたくない。
だから、愛花なんて呼ばない。
そう思っていた。






「えっと、優しそうで、でも男らしい顔。かなぁ?」






あー。
宮沢もそういうやつだったわけ。と思った。
昔から、そんな女はたくさんいた。
そういう顔だけしか見ない女に限って桜のことをいじめたりすんだ。






「ん?どぉしたの?ねぇ、桜ちゃんさっき来てたんだぁ。フフフ。辛そうな顔して帰って行ったよ?優しい幼なじみだねぇ?可愛いし、気も使えるし、でもゆうたくんは私のことが!好きだもんね??」







っ!!
まさか、脅してるのか?俺を。
ニコニコしながらこっちを見る宮沢。






「ねぇ、愛花って呼んで?あ。愛花ちゃんでもいいわ。」








真っ直ぐこっちを見て言う宮沢。




選択肢なんてもうないだろ。
俺は…桜を守りたい。

自分の感情を消したとしても。