私の被害妄想は最近始まったことではない。
たしか小学4年生くらい、
ある夏祭りの夜、親戚のおばさんの家でごちそうになったとき。
『まてよ…もしかしておばさん達はこの料理を食べせ自分を丸々太らせて食べる気なのではないか!?』
そう思った時から始まったんだと思う。
私の重度の被害妄想は…。
さて、中学時代の話をしよう。
中学生の私は、小学生のときよりも被害妄想が悪化していた。
いままで同じクラスだった友達と別のクラスになり、不安と動揺を隠せなかったじぶん。
するとこんな考えが過る。
『もしかしたらこいつら、私を集団でイジメ倒すんじゃないか?』
またでた…被害妄想。
当然そんなことを考えている輩はいるはずもなく、友達もでき楽しい毎日をおくった。
中学2年生に進級したある日、転校生がやって来た。
彼は隣町から来たようだ。
詳しい事情はプライバシーがあるので書かない。
その転校生が、私に不安の種を植え付けたのは、彼が学校に慣れ始めてきたころ。
彼は電車で通っているため朝学校にくるのは私より早い。
だんだんと彼の友人たちが集う中、私は友達がくるまでもくもくと読書をしていた。
そんな時、ふざけて私をかまってくる男子が「おいメジャーリーガー!」と口にした時、まだ喋ったこともない彼は「プッ…ブタが…」と罵ったのである。
これに私は酷く傷ついた。
元々精神的に弱かったせいもあるが、まだ友達でもない、喋ったこともない彼が…仲良くやろうと思っていた矢先に…。
思わず泣きそうになった。
そこからまた、被害妄想が激しくなったのだ。給食のとき、この頃の私はおかわりをしてまで食べていたが、その一件以来おかわりをすることが無くなった。なぜならこう考えたからだ。『これ以上食べたらみんなに馬鹿にされてブタっていわれる。…たべないでおこう。』
食べることを恥じたのだ。
その頃から人前でたべることは恥ずかしい。
わたしが食べてると皆が笑う。
という考えが根付いてしまったのだ。
そんな中学生活だったが、友達に支えられてなんとかやっていけた。
それと、部活をやっていて痩せていた自信はあったのでそれなりに生活できた。
3年生のとき、破天荒な転校生がやって来て、荒れたがとくにこれといって害はなかった。
そして、受験戦争を乗り越え高校に進学できた。あたらしい仲間も増え心配性も収まってきたある夏の日、心配性を促進させる出来事が起こった。友達とアイスを買って食べていたとき、酔っ払ったおじさんがきて言った。
「体太いね。」
最初に思ったことは『は?何この人!』
そして次におもったこと『あたし…やっぱり食べてると馬鹿にされるんだ。そして学校でいじめられて不登校になって、それで、それで…』
頭が真っ白になった。
あたしは食べないほうがいい。食べてると馬鹿にされてひどい目にあう。という被害妄想がまたしても根付いてしまったのだ。
しかし高校生。購買で美味しそうなものを売っていると誘惑に勝てず購入してしまう。
運動をあまりしていなかった私は太った。
自分で太ったと感じたとき、被害妄想が今までの私の平常心にデモを仕掛けてきた。
心のなかは忽ち被害妄想に侵されてしまった。
廊下を歩いていると誰かに嗤われているきがする。もしかして、自分が太っているから?お弁当を食べるとき、笑い声が聞こえてくる。ぜったいあたしのお弁当たべてる姿を罵って嗤ってるんだ。購買で物をかって教室に帰って来たとき、チラッとこっちをみてまた話しながら食事をする。きっと、デブがまた食ってるよ、って思ってるんだ。
被害妄想だらけだった。
そして高校2年生の冬からいじめみたいなものがはじまった。きっかけは英語の席。
私は男の子と隣だった。別にどうも思ってなかった。そう、どうも思っていないのだ。
それは唐突にはじまった。
「いいなぁ○○ー。(男の子の名前。)好きなひとが隣にいてー。」
最初は私じゃないと思っていた。しかし何度も続いてしかも、私の事をいっていたので確信した。あ、あたしのことか。
そのときの絶望感はいままでいじょうに大きかった。主犯が中学からの付き合いだったこともあるが、それがはじまったと同時にいままで仲良くしてきた男友達がみんないなくなってしまったからだ。被害妄想のせいだと母はいった。
楽しかったはずの高校生活に終止符が打たれたのだなとおもった。最もこれよりひどいイジメを受けている方もいらっしゃるのだろうが…。
私の被害妄想は限界を超えていた。頭がパンクしてなにをしても面倒くさくなった。女友達は支えてくれているのだが、傷は癒えなかった。いまも続いている。この間はかるく引きこもりがちになった。でも、自分でたちあがらなければ勝てない。だれも助けてはくれないのだ。だから被害妄想に勝たなければいけない。絶賛被害妄想中の私だが、いつかこの不のスパイラルから立ち直ってみせる。
被害妄想も少なくなるように努力している今の自分は、ナルシストではないが素晴らしいと自分で思う。