着いた…。
埼玉から秋田までは新幹線に乗った。

大学の頃と変わらない見覚えのある風景が私を迎えてくれた。

またここでの生活が始まる。

「やっぱ寒い。」

4月だけど秋田はまだ少し寒い。


4年間秋田市内の大学に通ってたからだいたいは覚えてる。


通い慣れた道を通って思い出の場所へ向かう。
まだ桜には早い。
千秋公園。よく皆で来たなぁ。
夜中によくコンビニで缶ビール買って飲んだなぁ…。

夏はビール。
冬は日本酒。
凍死するかと思った事もあったっけ。


寒いけど、ここでぼぉっとする時間は嫌いじゃない。

大和くんは元気かな。
早く会いたいな。


「あら。小娘じゃないの?」

背後から声を掛けられて振り向くと、
「え。えりりん!?」

大和くんの元カノが昼間の公園に似合わない格好で一服していた。

「何やってんのよ。墓でも参りさ来たの?それとも大和に会いさ来たの?」

露出は高いけど、もこもこのコートを着てるところがお水っぽい。

「えりりん。大和くんは元気ですか?」

えりりんはタバコをふかしながら、
「それなりに元気よ。
私生活はぼろぼろだけどね。
あんたがいなかった時の事は須賀が良く知ってるわ。
店は変わってないからそのうち来たらいいわ。」

えりりんは私に名刺のようなものを一枚くれて去って行った。


また大和くんに何かあったかな。