肺がんや終末期の患者さんに、私はたくさん会ってきたはずなのに…
どうしても、割り切れない…。
病気なのだからと考えるほどの余裕が全くない。
ばぁが倒れてしまったら…。
私は不安で不安でたまらなかった。
「…。ちゃん。
亜優ちゃん。」
「えっ。
あっ。
すっ、すみません。」
「カウンターさんにジャックのシングル。
ロックでね。」
「はい。」
私は7時から12時まで須賀さんのお店でアルバイトをさせてもらっている。
お客さんは常連さんが多いので、
お酒なんて全く作れなかった私も安心して仕事をすることが出来ている。
でも最近は考え事ばかりで、須賀さんに余計な心配を掛けてしまっている…。
頑張らなきゃ。
「はい。
お待たせしました。
ジャック・ダニエルのロックになります。」
カウンターのお客さんはテンガロハットを目深にかぶり、サングラスを付けたまま下を向いていた。
だから、表情が全くわからなかった。
多分ご新規の人じゃないかなぁと思いながら、
お酒を置いたとき、突然私の右手首がぎゅっと掴まれた…。
「えっ…!?」
びっくりしてその手を振り払った次の瞬間…、
「アユ太郎…。」
「…?」
どうしても、割り切れない…。
病気なのだからと考えるほどの余裕が全くない。
ばぁが倒れてしまったら…。
私は不安で不安でたまらなかった。
「…。ちゃん。
亜優ちゃん。」
「えっ。
あっ。
すっ、すみません。」
「カウンターさんにジャックのシングル。
ロックでね。」
「はい。」
私は7時から12時まで須賀さんのお店でアルバイトをさせてもらっている。
お客さんは常連さんが多いので、
お酒なんて全く作れなかった私も安心して仕事をすることが出来ている。
でも最近は考え事ばかりで、須賀さんに余計な心配を掛けてしまっている…。
頑張らなきゃ。
「はい。
お待たせしました。
ジャック・ダニエルのロックになります。」
カウンターのお客さんはテンガロハットを目深にかぶり、サングラスを付けたまま下を向いていた。
だから、表情が全くわからなかった。
多分ご新規の人じゃないかなぁと思いながら、
お酒を置いたとき、突然私の右手首がぎゅっと掴まれた…。
「えっ…!?」
びっくりしてその手を振り払った次の瞬間…、
「アユ太郎…。」
「…?」
