カウンターで眠ってしまった大和くんに自分のコートを被せ、私は須賀さんから詳細を聞いた。


「亜優ちゃんは大和の今の彼女分かる?」

「加奈子さん…でしたよね?
大和くんの2こ上でバツイチの。

結婚したいんだってこないだ大和くん言ってましたよ…?」


1度だけ大和くんがばぁに会わせるために家に連れてきた。
セミロングの茶色いの髪で目鼻立ちがはっきりした感じ。
身体の線は細いけど、ふわふわした優しそうな人だった。

大和くんの隣りで幸せそうに笑ってたから、私は身を引く決意をしたのに…。


須賀さんは頷き、渋い顔をしながら続けた。

「実は彼女ずっと二股してたみたいなんだよね。」

「二股…?」

「今日、あいつ彼女にプロポーズしに行ったんだ。
そしたら二股相手と偶然会っちゃって…。」

「えっ…?」

「しかも相手は亜優ちゃんもよく知ってる
健。」


「健さんて、大和くんの大親友じゃないですか…。

なんでそんな…。」

いつもよく2人で須賀さんのお店に飲みに行ってた。

大和くんからよく私も健さんの話はきいていた。

大和くんの話し振りから2人が仲が良い事もよく分かった。

「あいつも相当驚いたと思うよ。
それに、子どももいるみたいなんだ。」


「二股の上に赤ちゃんまで…
何も言えないじゃん。
大和くんがかわいそう…。」


「一発殴ってきたみたいだけど、それだけじゃ気持ちは治まらななかったみたい。
ここに来た時も相当酔ってた。

本当におれもびっくりした。」


ふたりとも大和くんにとってすごく大事な人だから
辛いだろうな…。

大和くん、これから大丈夫かな。