はじめっ

その一言で勝負が始まる。
あたし、川田菜はこの武道が大好きだ。
剣と剣を合わせて心を繋げる。
この武道にはまったのはそれが理由だ。
今のあたしは剣道一筋。他には何も見えていない。
「菜ってさ、恋とかしないの?」
そう聞くのは親友の剣道部女子副キャプテン中原菜花。
彼女は今剣道部男子副キャプテンに恋をしている。