火が 焼ける匂いがする 辺りに響く罵声から逃れるようにして、高く積み上げられた荷物に隠れた冷たい壁に背を預ける。 引きずってきた左足はもう使い物にならない。 モノが焼けるその独特な匂いと、遠くで聞こえる人々の喧噪はいつかの情景と同じように思えて、 その男は辛うじて動く右手で、首元にかけられた二つのリングのついたネックレスを目の前までかかげた。 「葵…。」 低く呟いた声は銃声に飲まれて消えていった。 .