「えっ、今なんて言った?そんなことより……腹が……うっ……痛い」
この言葉通り再び腹痛が襲ってきたのである。それと同時に言葉遣いももと通りになった。
「ちょっと、そこをどいてくれないか。豚!じゃなくて、海亀!!」
「わたくしは豚では御座いませぬゆえ、どきませぬ」
「だから言い直したじゃないか。とにかく、いいからどいてくれ。ぼくは厠に入るために外に出たんだ」
すると、海亀はすんなり「左様ならば、ごきげんよう。それではまた明日の宵の口に参ります。今日はこれにて失礼」と言い、向こうの路地に向かって去っていった。
それを見届けるとすぐに厠の戸を開けて用を足した。
そして、この日の夜は何事もなかったかのように床について寝てしまった。
翌朝、目が覚めると大変なことが起きていた。カーテンを開けて窓越しに外を見遣ると一面がブルーオーシャンになっていた。つまり、青い海になっていたのである。
「ドッキリ成功!あなたが見ていたのはいつものブルースカイなの。ふふっ」
なんてベタなことを言ってくれる彼女でもいてくれたらいいのに。
そんなのん気なことを思っていたが、現実はそう甘酸っぱくなかった。甘酸っぱいどころか、激辛カレーの店に招待されたようである。朝っぱらから激辛カレーなんて御免だ。なんてわけのわからぬ思考がぼくの頭の中を駆け巡った。昨日の海亀のことを忘れたと思ったらこれだ。
しばらく布団の中にもぐり込んで、(これは全部夢だ)
この言葉通り再び腹痛が襲ってきたのである。それと同時に言葉遣いももと通りになった。
「ちょっと、そこをどいてくれないか。豚!じゃなくて、海亀!!」
「わたくしは豚では御座いませぬゆえ、どきませぬ」
「だから言い直したじゃないか。とにかく、いいからどいてくれ。ぼくは厠に入るために外に出たんだ」
すると、海亀はすんなり「左様ならば、ごきげんよう。それではまた明日の宵の口に参ります。今日はこれにて失礼」と言い、向こうの路地に向かって去っていった。
それを見届けるとすぐに厠の戸を開けて用を足した。
そして、この日の夜は何事もなかったかのように床について寝てしまった。
翌朝、目が覚めると大変なことが起きていた。カーテンを開けて窓越しに外を見遣ると一面がブルーオーシャンになっていた。つまり、青い海になっていたのである。
「ドッキリ成功!あなたが見ていたのはいつものブルースカイなの。ふふっ」
なんてベタなことを言ってくれる彼女でもいてくれたらいいのに。
そんなのん気なことを思っていたが、現実はそう甘酸っぱくなかった。甘酸っぱいどころか、激辛カレーの店に招待されたようである。朝っぱらから激辛カレーなんて御免だ。なんてわけのわからぬ思考がぼくの頭の中を駆け巡った。昨日の海亀のことを忘れたと思ったらこれだ。
しばらく布団の中にもぐり込んで、(これは全部夢だ)


