「先ほど、何か思索をされておりましたね」
「いや、思索ってほどのもんじゃないよ。どうしようもないことをない頭で考えていたんだ」
「謙虚でございますね。あなた、そういうところ昔から変わってないわ。涙出ちゃう」
「出てないじゃん」
「じゃあ今から……」
「いや、泣かなくていいから。面倒くさいからそういうのやめてくれないか」
「冷たいわね……」
「そう言って亀吉様は空き地から出ていかれました」
「お上手!」
またしても亀吉に言わせられてしまった。亀吉は乙姫様の口真似をすることに対しての畏怖の念はないのだろうか。どんな人にも敬語を使う癖にだ。まったく、これから長丁場になるであろう乙姫様捜しの道程を考えると頭が痛くなるを通り越して頭を締め付けられる気持ちになる。
ぼくがまた黙っているとさすがの亀吉も気まずいこの空気を察したようで、話を切りかえてきた。
「浦島様はSランクの侍で御座います。もう何も恐れることは御座いませぬ。わたくしとともに、乙姫様をお守りいたすために善見城に参りましょう」
途中、よくわからないやりとりはあったが、前述の通り、最初から乙姫様を捜すことに対しては肯定的であったので亀吉に対して多少の不満を懐きつつも乙姫様のおられるであろう善見城に亀吉と行くことにした。
だが、さっき疑問を懐いていた玉手箱のことについては訊かず仕舞いであった。
「いや、思索ってほどのもんじゃないよ。どうしようもないことをない頭で考えていたんだ」
「謙虚でございますね。あなた、そういうところ昔から変わってないわ。涙出ちゃう」
「出てないじゃん」
「じゃあ今から……」
「いや、泣かなくていいから。面倒くさいからそういうのやめてくれないか」
「冷たいわね……」
「そう言って亀吉様は空き地から出ていかれました」
「お上手!」
またしても亀吉に言わせられてしまった。亀吉は乙姫様の口真似をすることに対しての畏怖の念はないのだろうか。どんな人にも敬語を使う癖にだ。まったく、これから長丁場になるであろう乙姫様捜しの道程を考えると頭が痛くなるを通り越して頭を締め付けられる気持ちになる。
ぼくがまた黙っているとさすがの亀吉も気まずいこの空気を察したようで、話を切りかえてきた。
「浦島様はSランクの侍で御座います。もう何も恐れることは御座いませぬ。わたくしとともに、乙姫様をお守りいたすために善見城に参りましょう」
途中、よくわからないやりとりはあったが、前述の通り、最初から乙姫様を捜すことに対しては肯定的であったので亀吉に対して多少の不満を懐きつつも乙姫様のおられるであろう善見城に亀吉と行くことにした。
だが、さっき疑問を懐いていた玉手箱のことについては訊かず仕舞いであった。


