しかし、ぼくは気になることがあるので、空き地に行く道の途中で亀吉に訊ねた。
「ぼくはどうしてこう、梅に縁のあるものなんだろうか。名字は梅林だし」
すると、亀吉は目をまん丸にして「松竹梅の梅では御座りませぬか。縁起が宜しく御座りますゆえ、落胆なさらないで下さい」と縁起でもないことを大真面目に言うのであった。
そんな亀吉に対してどうしてか、ぼくはむっとなって反論する。
「梅は最後ではないか。金銀銅でいえば、銅……三位じゃあないか」
「正三位といえば、あの西郷隆盛殿と会津藩主、京都守護職であらせられた松平容保殿と同じ位に御座います。特に松平公はあの新撰組にゆかりの……」
「そんなの知らん。ていうか、関係ないし。あぁ、亀吉に訊いたのが間違いだった」
「そんなに正答率が悪いですか?」
「うん……超がつくぐらい悪い。とんだ的外れだ」
「まぁ、仕方ありませんね」
「なんだ、その開き直り」
「さぁ、空き地に着きましたゆえ、気をとり直して防御の試験をいたしましょう」
亀吉の言葉通り、ぼくらは真四角に近いかたちの広い空き地に着いた。
どうやら、空き地の真ん中に立っている木は大きな松の木である。高さは五メートルほどはあろうか。木の上部は松の葉がところどころ生えているようだが、幹も高さのわりにあまり太くなく、何となく淋しい印象を与えるのであった。空き地にはぼくら二人のほか、だれもいないことがさらにそれを際立たせているようだった。
ぼくらはその松の木があるところから道路の反対側の奥まったところまでさらに数十歩あるいていき、止まった。
「この辺でいいんじゃないか」
「はい。左様に御座います。では、わたくしから二十メートルほど離れて下さい」
「そんなもんでいいのか。てか、梅干しバズーカって時速何キロくらい出るんだ?」
「二百五十キロほどです」
「あぁ?」
亀吉が平然と言うのを聞いて、ぼくは疑問と驚嘆が入り交じったような声を出した。二百五十キロといえば新幹線並みで、剛腕のプロ野球投手が投げる球速をはるかに上回るのは特記するまでもないだろう。
しかし、あながち自分に秘められた力を信じていなくもなかった。どうせまた、超人的に超高速の梅干しを難なくよけるのだろうとでも思っていた。
結果は案の定であった。
ただ、バズーカから出てきた超高速の梅干しが特大の南高梅であったと認識できるほどの動体視力には己のことながら、恐れ入った。
「ぼくはどうしてこう、梅に縁のあるものなんだろうか。名字は梅林だし」
すると、亀吉は目をまん丸にして「松竹梅の梅では御座りませぬか。縁起が宜しく御座りますゆえ、落胆なさらないで下さい」と縁起でもないことを大真面目に言うのであった。
そんな亀吉に対してどうしてか、ぼくはむっとなって反論する。
「梅は最後ではないか。金銀銅でいえば、銅……三位じゃあないか」
「正三位といえば、あの西郷隆盛殿と会津藩主、京都守護職であらせられた松平容保殿と同じ位に御座います。特に松平公はあの新撰組にゆかりの……」
「そんなの知らん。ていうか、関係ないし。あぁ、亀吉に訊いたのが間違いだった」
「そんなに正答率が悪いですか?」
「うん……超がつくぐらい悪い。とんだ的外れだ」
「まぁ、仕方ありませんね」
「なんだ、その開き直り」
「さぁ、空き地に着きましたゆえ、気をとり直して防御の試験をいたしましょう」
亀吉の言葉通り、ぼくらは真四角に近いかたちの広い空き地に着いた。
どうやら、空き地の真ん中に立っている木は大きな松の木である。高さは五メートルほどはあろうか。木の上部は松の葉がところどころ生えているようだが、幹も高さのわりにあまり太くなく、何となく淋しい印象を与えるのであった。空き地にはぼくら二人のほか、だれもいないことがさらにそれを際立たせているようだった。
ぼくらはその松の木があるところから道路の反対側の奥まったところまでさらに数十歩あるいていき、止まった。
「この辺でいいんじゃないか」
「はい。左様に御座います。では、わたくしから二十メートルほど離れて下さい」
「そんなもんでいいのか。てか、梅干しバズーカって時速何キロくらい出るんだ?」
「二百五十キロほどです」
「あぁ?」
亀吉が平然と言うのを聞いて、ぼくは疑問と驚嘆が入り交じったような声を出した。二百五十キロといえば新幹線並みで、剛腕のプロ野球投手が投げる球速をはるかに上回るのは特記するまでもないだろう。
しかし、あながち自分に秘められた力を信じていなくもなかった。どうせまた、超人的に超高速の梅干しを難なくよけるのだろうとでも思っていた。
結果は案の定であった。
ただ、バズーカから出てきた超高速の梅干しが特大の南高梅であったと認識できるほどの動体視力には己のことながら、恐れ入った。


