「善見城とはどこにあるのだ?」
「須弥山(しゅみせん)の頂上に御座います。そこはとう利天と呼ばれ、帝釈天や帝釈天王がおられます。おそらく、乙姫様はこの度の戦も観戦なされることでしょう」
ぼくはさっぱり何のことかわからなかったが、乙姫様が前にも何度かそこに行かれたのかということだけ訊き、細かいことは訊かないようにした。
すると、亀吉は青梅のようなかたちをした丸い顔をつるりと撫でながら、応えた。
「はい。何度もお行き遊ばされております。特に、最近は情緒が不安定とみえて、憂さを晴らされるためにかなりの頻度で行かれます……」
ただ、気になったことがあったのでぼくはまた訊ねた。
「では、その戦というのはどういうものなのか?」
「何じゃ、お主わしに教えてもらいたいか?」
「上から目線かよ。仙人ヅラしやがって」
「ヅラでは御座いません。地毛です」
「毛生えてないじゃん」
「それより、お話を戻すべきです」
「どっちがはじめたんだ。あぁ?」
「こわい……」
亀吉はぼくの言い方に少し怯えたようだ。しかし、それもすぐに失せてさっきのぼくの問いに答えた。
「戦がどういうものなのか。
……それはズバリ、阿修羅との戦いで御座います。毎年、地下の深いところから阿修羅たちが涌き出てきて天界に昇る。
……では、何のためであるかと申しますと、帝釈天と戦をするためであります。この戦は毎年、阿修羅から挑んでくるのであります。
……なぜ、阿修羅は帝釈天に戦を挑むのか。
……これにはわけがありまして、もともと阿修羅は天界の衆生でありました。しかし、ある時帝釈天と阿修羅の間にいざこざが起きて、阿修羅は帝釈天によって天界から追放されてしまいます。
その怨みを晴らそうと毎年地下の深いところから帝釈天の居城である善見城を落とそうと戦を仕掛けてくるのであります。
……しかし、今まで城にたどり着いた阿修羅はおりません……」
ぼくは例によって長い亀吉の説明にただ頷くばかりであった。
話はなおも続く……。
「須弥山(しゅみせん)の頂上に御座います。そこはとう利天と呼ばれ、帝釈天や帝釈天王がおられます。おそらく、乙姫様はこの度の戦も観戦なされることでしょう」
ぼくはさっぱり何のことかわからなかったが、乙姫様が前にも何度かそこに行かれたのかということだけ訊き、細かいことは訊かないようにした。
すると、亀吉は青梅のようなかたちをした丸い顔をつるりと撫でながら、応えた。
「はい。何度もお行き遊ばされております。特に、最近は情緒が不安定とみえて、憂さを晴らされるためにかなりの頻度で行かれます……」
ただ、気になったことがあったのでぼくはまた訊ねた。
「では、その戦というのはどういうものなのか?」
「何じゃ、お主わしに教えてもらいたいか?」
「上から目線かよ。仙人ヅラしやがって」
「ヅラでは御座いません。地毛です」
「毛生えてないじゃん」
「それより、お話を戻すべきです」
「どっちがはじめたんだ。あぁ?」
「こわい……」
亀吉はぼくの言い方に少し怯えたようだ。しかし、それもすぐに失せてさっきのぼくの問いに答えた。
「戦がどういうものなのか。
……それはズバリ、阿修羅との戦いで御座います。毎年、地下の深いところから阿修羅たちが涌き出てきて天界に昇る。
……では、何のためであるかと申しますと、帝釈天と戦をするためであります。この戦は毎年、阿修羅から挑んでくるのであります。
……なぜ、阿修羅は帝釈天に戦を挑むのか。
……これにはわけがありまして、もともと阿修羅は天界の衆生でありました。しかし、ある時帝釈天と阿修羅の間にいざこざが起きて、阿修羅は帝釈天によって天界から追放されてしまいます。
その怨みを晴らそうと毎年地下の深いところから帝釈天の居城である善見城を落とそうと戦を仕掛けてくるのであります。
……しかし、今まで城にたどり着いた阿修羅はおりません……」
ぼくは例によって長い亀吉の説明にただ頷くばかりであった。
話はなおも続く……。


