梅林賀琉

「駐甲場?」


「はい、駐甲場に御座います。甲羅を置いてまいるので御座います。つけはずし可能でありますゆえ……」


「……そうか。でも何でとりはずすのだ?」


「お楽しみで御座います。てへっ」


「可愛くないけど」


「しょんぼりちょん」


「何だそれ」


「とりあえず、行ってまいります。楽しみにしててね。あ・な・た」


「おえっ」


「そんなこと仰せにならないで。わたくしと逢瀬を重ねて契りはびりびりジーンズ……」


「いいから早く行けよ!面倒くさいな」



亀吉はごちゃごちゃ言いながらもぼくに叱られると、一目散に去っていってしまった。



しばらくして、亀吉が帰ってくるとなんと人間とほぼ同じ姿になっていた。



肌の色はほぼそのままで、容姿はあのドラゴンボールのキャラクターでお馴染みのピッコロのようだった。



背はぼくよりも低いが美青年の風をまとっていた。同時にこれで駐甲場とやらに行った所以もわかった。



そしてぼくは思わずこう言った。



「あれ、亀吉だよな」


「はい、左様に御座います」


「ピッコロじゃないよな」


「こんな背がちんちくりんでは見間違えようもないはずに御座いますが……」


「いや、あまりにも風貌が、というよりほぼ人間の姿になってしまったので驚いていたのだ。さっきのオカマモードの時と違って声もかっこよくなってるし」


「まぁ、無理も御座いませんね。この姿になれるのは竜宮城内とその周辺の城下町までと決められていますから」



なぜ、そんな決まりがあるのかよくわからなかったが、面倒なのであえて訊かなかった。



「そうだったのか、まあもうおとぎ話の世界にはだいぶ慣れたからいいのだが……」



すると、亀吉はぼくの今の発言が意外だったらしく目を真ん丸にして言った。



「浦島様!これは決して夢でもおとぎ話の世界でも御座いません」


「もしかして、現実とか」


「はい。ただし、信じるか信じないかはあなた次第です」



これ、何かの怪談話でよくストーリーテラーが言うやつじゃないかと思った。やはり、