それから、何分たったんだろう。 もしかしたら何十分にも なってたかもしれない。 体に当たる雨が、 急になくなった。 止んだの…? 顔を少し上げると、 目の前にはまだ、雨が沢山降ってて。 なんで? 「大丈夫?」 「えっ?」 思わずバッと、 声の聞こえた方へ勢いよく向く。 ―あなたは、誰? 初めて、だった。 こんなにも胸がきゅんとして、 こんなにも息が上手くできないのは。