声が、出ない。 走り去っていく亜衣の後姿を、 私はただ黙ってみていた。 それから、ちょっとして、 雨が、降ってきた。 そうだ、傘、差さなきゃ…。 体が、動かない…。 涙が、止まらない…っ。 やだ、やだよっ…! 亜衣…! ごめんなさい! 亜衣…! 違うの。 もう好きじゃないの! 亜衣のメアドを教えてたの! 本当だよっ! 亜衣…。 私は、亜衣のこと、 大事に思ってるよ…?