君と出会った記念日。


だから、知られたくなかった。
アイツは同情でもするし、
出来る限り優しくしようとする。

「千里…。俺は最低なんだよ…。
 今はきっと那菜が追い掛け回されてる…。

 それを、

 助けようともしなかったんだから…。」

那菜が羨ましかった。
愛されて、愛して。
だからか、母さんに最後言われて、
俺は動けなくなった。

助けられなくなった。

『お前は、逃げろ。
 俺が何とかする。』

そう言ったのに。