君と出会った記念日。


『待って!置いてかないでよ…っ。
 なんでっ、いつも…

 那菜ばっかり…。』

沢山涙を流しながら何度も言った。

那菜は生まれたばかりだった。

捨てられるわけがない。

それは、母さんの唯一の良心。

『おとーさん…?
 おかーさんっ!
 ななぁ…!?

 みんな…どこにいるの…?

 どこ…?

 おとーさん…?』

探し回った。
どんな場所でも。