君と出会った記念日。


「もしもし…?」

「千里ちゃんっ!?
 お願い、夕貴の所に行って!」

「え?」

電話は夏希ちゃんからだった。

「私、夕貴のこと、
 お母さんに全部聞いたの。
 それで、今日…今日は、
 夕貴がちょうど一人暮らしを始めた日で!

 さっき、赤い車が夕貴の家にあったの!

 夕貴、午前で早退してて!
 心配で学校抜け出してきたら、車が…。

 その車の人、夕貴のお母さんで!」

だんだん息が荒くなる夏希ちゃん。

「落ち着いて!何があったの?」