君と出会った記念日。


母さんは笑った。
不気味に。そう。ただ不気味に。
壊れたように。

「フフフフ…。
 洞察力でも磨いたの…?
 貴方は死んだんだと思ってたから
 那菜の連絡はあの人にしか
 しなかったのに。

 那菜に触らないで。
 私の那菜よ。
 それとも、言うことが聞けないの?

 ママの言うことは
 守らないとダメよ…?」

心臓が嫌な音を立てる。
母さんはナイフを握っていた。
血の付いた、ナイフを。