母さんは笑った。 不気味に。そう。ただ不気味に。 壊れたように。 「フフフフ…。 洞察力でも磨いたの…? 貴方は死んだんだと思ってたから 那菜の連絡はあの人にしか しなかったのに。 那菜に触らないで。 私の那菜よ。 それとも、言うことが聞けないの? ママの言うことは 守らないとダメよ…?」 心臓が嫌な音を立てる。 母さんはナイフを握っていた。 血の付いた、ナイフを。