君と出会った記念日。


頭痛がする。
吐き気がする。
あの時の事を思い出す。

「…っ、あの時とは、ちげえよ…。」

目眩がする。
手が震える。
那菜の前に立つ。

「…母さん。
 俺たちは、
 あんたの玩具じゃねえんだ。
 分かってたんだろ?
 どうせ、また、
 ナイフかなんか仕込んでんだろ?
 その、隠した右手に…とかさ。」

「ゆう兄…?お母さんはそんなことしな…。」