「頼んだのは君じゃないの?」

思わず笑ってしまう。

「…っそうですけど!
 でも、だって、連絡来てないって。」

「うん、まぁ来てないけど。
 でもこのままだと困るんでしょ?

 ちょっとだけ心当たりあるから、
 聞いてみるし、
 心配なら泊まらなくてもいいけど、
 とりあえず家に入っていいから。」

「心当たり?」

「あぁ、父親にでも聞いてみるよ。
 多分、そっちに連絡いってるから。」

「…ありがとうございます…。」

ホッとしたように那菜は笑った。