舞 side
……私は関係ない…
でも、
本当の家族じゃないし…
なんて言わなきゃ良かった。
ついには、泣いてしまう私。
「ぅ……ぅ…」
「………綾瀬…?」
この声は…
私は伏せていた顔をあげる。
「…と…ぅ…まく…ん」
私は冬真くんをみて、安心したのか
ボロボロ涙が零れてくる。
「ど、どした…」
「ぅ、ぅわぁぁぁぁん」
冬真くんの胸に飛び込む私。
冬真くんの香りが私をふわっと包み込む。
私の背中をゆっくりさする。
「…とにかく、おれんち行くか…?」
私はゆっくり頷く。
そして、歩き出す。
冬真くんは私の肩に手を置いて、
私の歩幅に合わせてくれる。
ーーー「おじゃまします…」
もう冬真くんの家につくと、涙は止まっていて目だけが腫れていた。
「今日、誰もいないから、ゆっくりしていけ。」
無愛想に言う冬真くん。
でも、なぜか優しくなっている。
冷たい人だと思ってたんだけど………
私は靴を脱ぎ、玄関から上がる。
二階へあがる冬真くんに私は
ついていく。
てか……男の人の部屋とか……
初めてなんですけど……
ドキドキしながら、階段を上る。
「ここ、俺の部屋。」
ガチャっと開かれる扉。
ふわっと冬真くんの香りが鼻にきた。
私はゆっくり入る。
冬真くんも入る。
私はずっとそこから動かなく突っ立っているだけだった。


