「……母さん…」
俺は弱々しくその人を呼ぶ。
「やっぱり、聖なのねっ」
その人は俺に近づきながら言う。
舞は固まっている。
近づいてくる母さんに
俺は
「近づくなっっ!!」
母さんに向かって、怒鳴る。
母さんは止まり、
舞は肩をビクッとさせた。
ーーーー…
「俺を…俺と、父さんを捨てたくせにっ」
母さんは俺たちを捨てた。
『大丈夫。また帰ってくる。』
そう言ったくせに……
本当は離婚してたなんて…
「そ、それは…仕方なくて……」
シドロモドロに言う母さん。
舞は俺たちを交互に見る。
「ひ、聖…」
俺の手に触れる舞。
たが、俺はぱっと払いのける。


